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雪の山小屋で



今年、奥多摩のある避難小屋へ泊まった。

雪景色が綺麗でそれで、楽しくてどんどん歩いて行った。
考えていたより遠くへ歩いて来てしまったなあ

薄暗くなるあたりを見ながらホルブスに火をつけた
いつものレトルトカレーだけどすごくおいしく感じられた。


風は止まって月明りに照らされた山肌はとても綺麗だった。
満ち足りた思いで寝袋にくるまった。


朝になると、それは底冷えがして寒かった。でも寂しいとは思わなかった。

ほどなく品の良さそうな、大きな望遠レンズをつけたカメラを携えた男の方が山小屋に入って
来られた。その朝日の眩しさに目を完全に覚ました。


おはようございます、すみません起こしてしまいましたねと言った。
いいえいいんです。もう起きないと。

また雪が降ったみたいですね。
ええとても寒かったですよ・・・・       そのあと少々の雑談を交わした


あ、ところで 
その男の方が言った。トイレですか?私が登って来たとき女の方が小屋から
丁度出て行かれましたが・・・・

私は、いいえこの避難小屋には私ひとりで泊まっていましたが・・・・と答えて
はっと我に返った

男の方も表情を曇らせた。


この夜はとても楽しい気持ちでこの避難小屋にいた。
この男の方がとても私をからかっているとは思えなかった。

あとでひろしに話すとその小屋よくそんな噂がたつとこだよと青い顔をしていた。


私は誰かといたのかもしれないし、ひとりだったのかもしれない。


足あとをと思ったけどしんしんと降る、ぼたん雪がすべてをかくしていた。


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by somancyu | 2006-04-27 00:28 | 考えること

アルプスにいだかれて

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昨日の深夜、安部奥の南アルプスの、ぼろっちい避難小屋で寝袋にくるまりながら、
いつものひろしと屋根から落ちる雨粒の音を聞いていた。

なんでこんな寒い日に来ちゃったんだろうなーと、ひろしはブツブツ言いながら
寸又峡という地酒をじゅるじゅるすすっている。


確かに登山道は雨模様だった・・・誰にも逢わなかった。
でも雨に濡れた山桜やコバルトを含んだ渓の水はますます
さくらいろとあおいろを増して綺麗にみえた。


いつも暗い山小屋で思うのは
自分の前で亡くなっていった患者さん達のこと

先週も自分の夜勤のときに3人が亡くなった。でもみんな安らかな顔をしていた・・・

20代のときに、不安だからと私に何度も抱きついたひとのことが
頭に浮かんでは消えた。膠原病だった。
そのひとの死に顔もとても綺麗だったな・・・

雨はよけいにその強さを増している、明日の温泉はきっと暖かいだろう。

新緑を吹いた木々はとても力強く菜種梅雨を受け止めていた。
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by somancyu | 2006-04-11 21:08 | 考えること