集中治療室のスタッフ間で、綺麗な女性がお父さんのお見舞いに来ると噂になっていた・・ いそがしく病院の廊下を歩いていると 待合室の椅子に座った女性にNAVIさんですよねと声をかけられた。 私 あ、はいそうです。 振り返るとそこにその綺麗な女性が座っていた。 女性 以前にはとてもお世話になりました。 私 ・・・・ 10年以上前に薬物中毒で瀕死の女性が運び込まれた。 その方は集中治療室で確か3日間混迷状態をさまよったあと、徐々に回復した。 血気にはやる私は長々と、生きたくても生きられない人がいるのになんてことをするんだと 説教をした。すると彼女にツバを吐きかけられてもみあいになった。 その後は怒る家族と、婦長のはざまで大変でした。 自業自得ですけど査問はとてもつらかった。 女性 お元気ですか、まだいたんですね 私 はい、元気だけがとりえですから。 女性 私ね、あれから変わったんですよ。 もし良かったら、おにぎりをどうぞ 私が作ったんです。 親戚のために作ったんですけど、来ないみたいなんで。 あなたには家族皆がお世話になりますねと言っている。 ただの不良少女が女性は変わろうと思えば変われるんだなーと妙に思わされた。 あーなになに知り合いなの?と研修医の先生は大騒ぎをしていた。 隅におけないねーなんて皆、猜疑の眼差しを向けている。 心の中で何回も、私変わったんですよと言ってみた。 そんなこと鈍感な私にもよくわかりますよ。 いい塩梅で炊けた竹の子のおにぎりがそれをよくあらわしていた。
by somancyu
| 2006-05-07 22:17
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