昨日の深夜、安部奥の南アルプスの、ぼろっちい避難小屋で寝袋にくるまりながら、 いつものひろしと屋根から落ちる雨粒の音を聞いていた。 なんでこんな寒い日に来ちゃったんだろうなーと、ひろしはブツブツ言いながら 寸又峡という地酒をじゅるじゅるすすっている。 確かに登山道は雨模様だった・・・誰にも逢わなかった。 でも雨に濡れた山桜やコバルトを含んだ渓の水はますます さくらいろとあおいろを増して綺麗にみえた。 いつも暗い山小屋で思うのは 自分の前で亡くなっていった患者さん達のこと 先週も自分の夜勤のときに3人が亡くなった。でもみんな安らかな顔をしていた・・・ 20代のときに、不安だからと私に何度も抱きついたひとのことが 頭に浮かんでは消えた。膠原病だった。 そのひとの死に顔もとても綺麗だったな・・・ 雨はよけいにその強さを増している、明日の温泉はきっと暖かいだろう。 新緑を吹いた木々はとても力強く菜種梅雨を受け止めていた。
by somancyu
| 2006-04-11 21:08
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